脱成長に向けたネットワーク (持続可能な社会のために)

 先日黒い森(シュバルツバルド)にある山小屋で行われた合宿に参加してきました。

若い研究者が集まって、脱経済成長に向けたネットワークを創っていく計画について話し合うための合宿でした。持続可能性という大きなキーワードのもとに、現在の社会情勢や経済システムに疑問を持ち、色々な分野で研究している若者が、これからの社会のために研究だけでなく実際に活動していこうとドイツ全国から集まったものです。このネットワークを通して、お互いの研究を助け合うと同時に、実際の活動につなげていこうとしています。山小屋で行われたことは、ゲームを交えた自己紹介から始まり、このネットワークを初めに立ち上げた人の一人が会の趣旨について説明したり、どのように今後の活動を進めていくかを話し合ったり、自分が実際何をこれからしていけるかを一人づつ発表したり、このネットワークの次のステップについて具体的に話し合ったりしました。話し合い、討論の間には自分たちで料理をしたり、散歩に行ったり、農場の見学に行ったり、宿泊代をなるべく抑えるために(と実際に体を使った仕事をするために)小屋の周りの整備をしたり、農家のお手伝いをしたりしました。
 この合宿に参加した人たちは非常に素敵な人たちでした。未来に向けた希望と情熱を持ち、実際に始めていこうとしている若者です。一人一人がそれぞれ未来の社会について考え、お互いを刺激し合ってさらに熱意と希望を膨らませているように見えました。印象深いのはみんな明るく、会議も冗談をところどころ交え陽気な雰囲気だったことです。現在の状況を嘆いているだけでなく、自分たちの明るい未来のために喜びを持って仲間と楽しく歩んでいこうとする姿を見てとても感動しました。何も根拠はありませんが、彼らの運動が成功することを私は確信していますし、今後のドイツの大きな社会の流れを作って行くことと思います。
 さてこのネットワークはドイツのものですが、私は日本人として日本にも彼らのようなネットワークを作り、彼らや他のネットワークと繋げていきたいと思っています。日本にも現在の経済システムや社会情勢に疑問を持ち、持続可能な社会について日々考えている若者、研究者はたくさんいます。こうした人たちが集まり、お互いから学び、刺激し合っていくことはとても意義深いと思います。独りで考えるよりも、同じ目的を持った志のある仲間と共に歩んでいく方がはるかに創造的で良い結果を生み出します。そして地域通貨トランジションタウンなどの地域の実際の活動と結びつき、それらをお互いに繋げていけば、持続可能な社会に向けた大きな流れを作れるでしょう。今私たちは立ち止まっていてはいけない時です。今こそ新たな一歩を踏み出して、自分たちの幸せな生活のために豊かな社会を私たちの手で作り上げていかなければならないと思います。
 私が上に書いた趣旨に賛同される方は私までメールでご連絡ください。先日の合宿で日本ネットワークを立ち上げることを思いついたので、まだまだ何も具体的に考えていませんが、私たちのためのネットワークを一緒に考え創っていきましょう。来年春頃に日本のどこかで集まって第一回目の会議が出来るといいと思っています。

参照:Netzwerke Wachstumswendeのページ(ドイツ語)http://wachstumswende.de/