2010-01-01から1年間の記事一覧

ドイツの里山2

前回に引き続きドイツの「里山」(雑木林)について書こうと思います。前回の最後に補足で書きましたが、里山という言葉は共通の定義を持っていません。ドイツにも「里山」はあります(ました)が、林業としてのみ使われた雑木林(萌芽林)についても触れるので…

ドイツの里山

里山の魅力はたくさんある。日本人の故郷の景色であり、様々な動植物と人が長年共存してきた場所でもあり、木の実や薪など生活や農業に必要なものを与えてくれる所でもある。 私はこの里山に惹かれ、日本では里山保護の活動に何度か参加し、今はドイツで「里…

交通事故2

前回は野生動物の交通事故について書きましたが、人も交通事故で毎年多くの方が亡くなっています。その数を調べてみたら、ここ2,3年は毎年約5000人が交通事故によって死亡しています(毎年減少傾向にあり、1990年に1万人以上の死亡者があったの…

交通事故

今回は交通事故について書こうと思います。野生動物の交通事故です。先日、ヨーロッパオオヤマネコ(Luchs)についての講演会で、シカの交通事故死の数を聞いてその多さにびっくりしました。ドイツ国内の数だと思っていましたが、州のみの数だったようでドイツ…

持続可能な社会について2

前回は持続可能な発展とは?ブルンラント委員会についておおまかに見てきました。今回はOur Common Futrue(地球の未来を守るために)の内容をもう少し詳しく見ていきたいと思います。 Our Common Futureの中で『持続可能な発展』(持続的開発と本文では表現…

持続可能な社会について

今回は持続可能な社会について、Our Common Future(邦題;地球の未来を守るために 福武書店)の紹介をしながら見ていこうと思います。 Our Common Future(通称ブルンラント報告書)は環境と開発に関する世界委員会(通称ブルンラント委員会)が1987年に提…

夢不足

今日は昨日書き切れなかったことを書こうと思います。 明るく心楽しく生きていくのはほとんどの人が目指していることではないでしょうか?物やお金が十分なくても希望を持って明るく家族と生きていくことが僕は"幸せ"だと思います。でもそれが分かっていても…

出発点

前回の記事「大切な事」では、自分や社会の「幸せ」を中心に持って、「大切な事」は何かをはっきりさて厳しい現実も希望を持って生きていくのがいいでしょう、ということを書きましたが、今回は「幸せ」を目指して生きていく出発点について私が思っているこ…

大切な事

色々な事で苦しむことがあります。生きていれば悲しいことがあり、寂しいこと、つらいこと、痛いことであったり恥ずかしいことがあるのは当然です。何か本当に苦しいことがあれば、どうにかしてそれから逃れたい、解決したいと思います。どうすればその辛い…

環境に守られている

前回の「環境保護の理由づけ?」では普段の生活では環境保護をする理由はいちいちつけなくてもいいんじゃないか?ということを書きました。なぜこんな記事を書いたのかというと、私たちはもっと普段の生活の中で感覚的なものを大切にしてもいいんじゃないか…

環境保護の理由づけ?

今日はちょっと環境倫理について書こうと思います。私の考えもまとまっていないのでちょっとわかりにくくなるかもしれませんが、興味のある方は続けて読んでみてください。 「環境倫理」というのはごく簡単に言い換えると、「いったいどうして環境を守らない…

原発延長

きょうも新聞記事からの報告をします。10月29日(2010)のBadische Zeitungの一面にドイツの原子力発電所延期運転に関する記事がありました。28日に行われたドイツ連邦議会(下院)で原発の延長稼働が盛り込まれたエネルギー法案が賛成308、反…

気候保護首都フライブルク

今日も新聞の記事の紹介をします。2010年10月26日のBadische Zeitung(バーデン新聞)にフライブルクが10月25日の月曜にドイツの気候保護における首都の称号を獲得したと報告しています。 ドイツ環境支援協会(Deutsche Umwelthilfe e.V.:ホームページ …

フライブルク咲き誇る

今日は先日の新聞記事の報告です。10月16日のBadische Zeitung(バーデン新聞)に「フライブルク咲き誇る」と言う記事が載っていました。この地方固有のお花をフライブルク市内に再び繁殖させようというプロジェクトについて紹介されていました。この企…

野鳥の子育て

今年の5月と6月に私は自営(職業として)で活動している自然保護家のところで実習をしました。今日はその実習を通して自分が発見したことを書きたいと思います。この自然保護家のクリスチャンの主な取り組みはSteinkauz(コキンメフクロウ)と言う小さな可愛いフ…

森の幼稚園

私は森が好きです。子供の時よく川や森、野原で昆虫採集や、友達と駆け回って遊んだ覚えがあります。その中でも森というのは子供の僕にとって特別な場所だったんじゃないかと思います。木がたくさん生えている森の中へ踏み込むと上から降り注ぐ太陽の光が葉…

ノルウェーの森

またまた久しぶりの記事になってしまいました。今回は9月の初めに行ったノルウェーの旅行記を掲載します。少し長いですが読んでみてください。 世界一物価が高いというノルウェーになんか行くことはまずないだろうと思っていたのだが、どうしてそんなノルウ…

原発停止の延期を決定

先日9月10日(2010)のBadische Zeitungの原発に関する記事を紹介します。メルケル政権はドイツの原子力発電所の運転期間を平均12年延長することを決定しました。それに対し他の電力会社は原発の運営会社に対しる税金の徴収を要求しています。しかし、メルケル…

森林官という仕事

先日(9月7日)大阪から来た学生と一緒に森林官のシュテファンにインタビューをして来ました。大学のクラブ活動で海外の農業について調べている彼ら学生はドイツの林業、特に私有林の経営状況に興味を持ってここフライブルクに研修旅行にやって来ました。僕達…

森にゴミ

今日は8月5日のBadische Zeitungの新聞記事について紹介します。「タイヤが森に捨てられる」という見出しで、違法ゴミ投棄について書かれた記事です。7月22日から7月23日の間に”Moehrenkopf(メーレンコプフ)"というライン川の森に約200個の古タ…

住み心地の良い街No.1

昨日(8月3日)の新聞(Badische Zeitung)に"(フライブルクが)住み心地が良い街のナンバーワン"という見出しで記事がありました。EUの統計局が"Urban Audit" という調査のなかでヨーロッパの都市における生活の質について調べた結果について書かれていました。…

環境と健康

病気になって初めて気付くことがあります。自分の生活が悪かったから体の調子が悪くなったんだ、とか酒の飲み過ぎ、甘いものの食べ過ぎで体を壊してしまったのだと自分で納得します。普段の生活の中や仕事で常にストレスや不平不満を感じていることも体に悪…

フライブルクで環境について学ぶ会 (Öko-FreiWillig:エコフライヴィリヒ)

今日はフライブルクで環境について学んでいるグループに就いて紹介しようと思います。このグループは僕と僕の友人が発起して2006年の夏につくった日本人の学生を中心とした会です。初めは、(ビールでも飲みながら、あ〜だこ〜だと環境について話せたら)とい…

エコ通貨交流会

前回のブログで書いたように、昨日(7月25日)エコ通貨交流会を行いました。参加者は約15名。初めにエコ通貨とは何か、エコ通貨の目的 ("人と人を繋ぎ、豊かな社会で生活していこう") や、どういうふうにしてエコ通貨が生まれたのか(環境グループ"Öko-FreiWill…

エコ通貨(フライブルクの地域通貨)

さて今日は私達が自分達で立ち上げたフライブルクの地域通貨に就いて紹介しようと思います。先ず「地域通貨」とはその地域やグループで使われる独自の「お金」のことを言い、私達が普段使っている中央銀行が発行しているお金(法定通貨)とは違い、その地域…

環境教育:Energie-Detektiv EDe(エネルギー探偵団)

今回は小学生向けの環境教育の活動の一つについて紹介しようと思います。Energiedetektiv EDe (エネルギー探偵団)というのは、フライブルク市のあるバーデンブルテンベルグ州の学術省が行っているものです。3人の専門の教育家、演劇教育家が学校へやって来て…

Ausgleichmassnahmeflaeche(補償のための土地)

フライブルクの木々で既に一度触れましたが、今回はAusgleichmassnahmeについて書こうと思います。日本語に訳すとすれば、"補償措置"と言えると思います。住宅地や工場を建てる際に失った自然を、他の土地をその補償のための土地に指定し、補おうというもの…

生物圏保護地域(Biosphaerenreservat)

生物圏保護地域(Biosphaerenreservat)とはユネスコの「人間と生物圏計画(Man and the Biosphere :MAB)」に基づいて設けられている大きな範囲の自然保護区のことを言います。世界中に1976年から現在まで500を超す地域が指定されました。ドイツには15の…

環境に優しい企業経営のための支援プロジェクト”ECOfit(エコフィット)”

さて今回は"ECOfit(エコフィット)"と言うフライブルクのあるBaden-Wuerttemberg(バーデンブルテンベルク)州の企業に対する支援プログラムに就いて皆さんに紹介しようと思います。このプロジェクトに参加する企業には、例えば、ゴミ処理、水の使用、大気を…

遺伝子組み換えトウモロコシ

今回は6月11のBadische Zeitung に出ていた「遺伝子組み換えトウモロコシ」に就いての記事をお知らせしようと思います。フライブルクのあるBaden-Württemberg(バーデンブルテンベルグ)州で、700ヘクタールの農地に遺伝子操作したトウモロコシの種が使わ…