原発停止の延期を決定

先日9月10日(2010)のBadische Zeitungの原発に関する記事を紹介します。メルケル政権はドイツの原子力発電所の運転期間を平均12年延長することを決定しました。それに対し他の電力会社は原発の運営会社に対しる税金の徴収を要求しています。しかし、メルケル政権はその追加課税の金額を各原発に対して5億ユーロまでという制限を設けました。さらに原発税は将来延長又は、引き上げようとされても新しいエコ電気基金原発会社が払う金額が引き下げられるというようなことも取決めており、これは現連立政権と4つの原発会社の防衛策だと報じています。これに対して野党は反対の姿勢をとっていて、必要とあらば連邦憲法裁判所に違憲の申し立てをして政府の計画を阻止しようとしています。
メルケル政権は最長2034年までの原発の運転を決定した訳ですが、それと同時に再生可能エネルギーの強化も促進していく計画です。そのための資金を原発会社から引き出そうとしており、2011年から2016年までの間に14億ユーロを払う計画になっています。さらに、原発会社は2011年から2016年までに各会社23億ユーロ核燃料税を連邦予算の立て直しのために払わなければいけません。そして2016年以降は原子力発電による電力量1メガワット時当たり9ユーロ納める計画です。
このようにドイツでは原発の延長が決定されたものの、原発を停止した以降のエネルギー構想を持っており、再生可能エネルギーの拡充を目指しています。その為のお金を原発から引き出そうというものですが、この金額については議論が続いています。
今回の決定は僕には4大原発会社の為だけの決定のように見えて残念ですが、しかし原発を全廃しようとする方向はいまだ変わっておらず、そこに日本とのエネルギー構想の大きな違いを感じます。他国に原料を依存しない、安全なエネルギーを確保していく見通しを地域レベルからしっかりと立てる必要があると思います。
付足しになりますが、日本には至るところにある夜も輝くジュースなどの自動販売機ですが、ドイツではほとんど見かけることはありません。自動販売機には多量の電気が必要だと聞きますが、このような電気をたくさん喰うものが本当になければ困るものなのかどうか、市民が自分と家族の安全と一緒に考えていく必要があると思います。