Ausgleichmassnahmeflaeche(補償のための土地)

フライブルクの木々で既に一度触れましたが、今回はAusgleichmassnahmeについて書こうと思います。日本語に訳すとすれば、"補償措置"と言えると思います。住宅地や工場を建てる際に失った自然を、他の土地をその補償のための土地に指定し、補おうというものです。ドイツ連邦自然保護法の3章 "自然と景観の保護"の
§ 19 "義務と破壊行為の禁止" に詳しく書かれていますが、自然を害する者はその破壊された自然の持っていた機能と同様のものを補償しなければならなりません。 さてこのような自然を量的、質的に維持していく法律があるのはとても進んでいると思います。日本ではその土地の所有者であればそこがもともと豊かな森や農地であったとしても許可を申請すれば、自分が思うようにその土地を住宅地やゴルフ場にしてもその失われた自然を回復させなければいけないといったことはないと思います。だから昔子供たちの遊び場だった林や、池、空き地がなんの補償もないまま徐々に失われていったのでしょう。自分達の生活空間に近い所に野原や、大きな木のある場所を少しでも確保していくことは、今後私たちが豊かな生活をしていくうえで、そして自分達の子供が動植物を身近に感じる場所として大切になっていくと思います。
所でこのような素晴らしい"保障のための土地"ですが、それが全て上手く機能しているわけでは無いようです。野鳥保護家のクリスチャンによると、大きな立派な木を切り倒し、新しく植林をして整備し直し、"補償のための土地"としてその市が管理している所があります。その木はレッドリストに載っている珍しいキツツキが巣を作るのに非常に適していました。(実際既に巣を作ったことがある。)これでは補償するどころか逆にさらに破壊しているようなものです。ただ紙面上で土地を確保しようとして、実際の現場とこの法律の意味を理解しなければこの様な悪い例が増えていくのではないかと思います。