エコ通貨(フライブルクの地域通貨)

 さて今日は私達が自分達で立ち上げたフライブルク地域通貨に就いて紹介しようと思います。先ず「地域通貨」とはその地域やグループで使われる独自の「お金」のことを言い、私達が普段使っている中央銀行が発行しているお金(法定通貨)とは違い、その地域(決まったお店や、メンバーの間)でしか使えない独自の「お金」です。エコ通貨はフライブルクの日本人を中心とした仲間の間で使うことができる「エコ」という単位の地域通貨です。
 では、どういう目的でこのエコ通貨を作ったのかというと、「人と人をつなぎ、豊かな社会環境をつくる」ということで、ユーロや円などのお金を使ったやりとりではなく、エコ通貨を使ったより人間的なやりとりを通して、お互いを思いやり、助け合う豊かな社会に繋げていきたいというものです。安心して暮らせるまち、住み心地の良いまちに住むのはとても魅力的です。しかし自分が必要なものをお金が足りなくて買えないと不安になります。助けてくれる人が周りにいなかったら良く心配になります。私達が作ったエコ通貨は法定通貨を沢山持っていなかったとしても、豊かに、安心して生活していく助けにしたいと思って生まれました。そして同じまちに住む人達の関係は、そこの住人にとってとても大切なものの一つです。この私達のエコ通貨の輪がフライブルクの(特に日本人)社会のよい循環剤になり、同じまちに住む人同士が助け合い、共に生きていけるようなきっかけになればと望んでいます。
 今日本でも、どこの国でも世界中で「お金」が原因で色々な問題が起こっています。個人的なお金の貸し借りで起こる事件から国と国の戦争まで悲惨な結果をもたらしています。このような問題ある今あるお金(のシステム)の悪い部分は当然見直していかなければならないと思います。例えば「利子」は貧乏人から無慈悲にお金を巻き上げ、お金持ちをさらに裕福にしています。お金の創造システムも冷静に考えてみると非常に理不尽だと思います。銀行は準備預金制度という現在の制度によって預金者からのお金(もともと銀行のお金ではなく、預金者が銀行に預けたお金)を使って新しくお金を創造する(貸し付ける)ことができます。ここの詳しいところは僕も今勉強中ですが(しっかりと理解できていませんが)、要するに銀行は預金者がお金を預けたと言うだけで、お金を何も無い所から作り出し、そのお金を貸し付け、返済してもらえるということです。このことに就いてはしっかりとどのような仕組みになっているのかを把握する必要がありますが、これは非常に理不尽なことだと思います。銀行は担保を取って自分のお金ではない他人のお金を使って、お金を必要としている人に貸し、他人のものだったはずのものが、貸し出されたお金が返ってきたの時にはいつの間にか利子がついて銀行のものになっているのです。
 しかし、今のお金には問題があるということは分かりますが、お金は生きていく上で必要です。老後のためにもお金は蓄えておかなければいけないかもしれません。ここで重要なのは、現行のお金(ユーロや円などの法定通貨)だけがお金ではなく、お金は私達自身で変えていけるということです。昔からお金が変ってきたように、これからも変っていくでしょう。この変わっていく時に私達市民が積極的に参加し、より良いお金(のシステム)を作っていかなければいけないと思います。「地域通貨」はその一つの試みだとおもいますが、利子が無く、物やサービスの交換の際に使う道具として、そして特定の地域で使われることによって、その地域の人間関係を強め、地域内のみで循環するので地域の活性化にも繋がります。さらに気軽にやりとりされるので、色々な人の様々な要望が満たされ、その社会に住む人々の生活を豊かにしていくでしょう。また地域通貨では自分の得意なこと、好きなことを他人に提供できるので、働くことの意義を見つけられるとおもいます。
 長々と書きましたが、私達の「エコ通貨」は始動してからまだ間もなく、メンバーも限られているので、今後地道にこのエコ通貨の輪を広げていきたいと思っています。そして手始めに、明日7月25日にエコ通貨交流会を開き、メンバーの交流と親睦を深めていきます。