フライブルクの木々

今日は今僕が住んでいるフライブルクの木について紹介します。

街中にある木々達はいつも勉強で疲れた僕の心を癒してくれます。フライブルクの街を少し歩くと、木々が非常に多いことにすぐ気が付き、住人に、旅行者に柔らかな印象を与えてくれます。街中の木々は、排気ガスで汚れた空気を綺麗にしてくれたり、街中の水の循環を調節してくれたり、真夏の焼けるような日差しの中に心地よい木陰を作ってくれたりもしてくれます。そして木々は私達人間にだけ豊かさを与えてくれるだけでなく、鳥や、虫達の街中での重要な棲み家にもなります。
公園の木々から街路樹、庭の木々、植樹されたばかりの若木からどっしりとした大木まで至る所に生えています。では何故フライブルクにはそんなに木が多いのか?この疑問に対する一つの答えとしてフライブルク市の「市中の周囲80cm以上の木は勝手に切ってはいけない」、という条例があります。市民はたとえ自分の庭の木であっても、市の許可無しに無断で大木を切り倒すことは出来ません。その条例(Baumschutzsatzung)の目的はフライブルクの街中の樹木の空間の確保、特にバランスのとれた自然環境(生態系)と動植物の生息場所の保護ならびにその促進とあり、人間だけでなく、植物や動物のことを考慮に入れたものになっています。この条例には補償植樹(Ersatzpflanzungen)という項目があり、違反した時には市はその損なった環境の代償として植樹を要求することができます。
そしてもう一つの理由として、ドイツ自然保護法(Bundesnaturschutzgesetz (BNatSchG) )では住宅や工場、ショッピングセンターなどの建設の時に破壊した自然に対する補償として他の土地に木などを植え、失われた「自然環境」を回復するように義務付けられています(Ausgleichsmaßnahmen)。
このように、木を、森を、そして自分達の心地良い環境を守っていこうという法律がしっかりしているので、緑が多いのだと感じました。しかしそれよりも、そんな法律をしっかり整備するくらいドイツでは「自然」、「環境」を重要なものとしているし、そして何より多くの市民が安らぎの場としての緑を大切にしているので、フライブルク市内にたくさんの木を見ることが出来るのだと思います。
しかし、国土の約7割が森林に覆われている一方、日本では街中の木々は少なく、無機質な景観が目に付きます。街中の心地よい、豊かな空間を私達は手に入れていくよう強く望んでいくことが大切だと思います。