フライブルクのゴミ政策

今回はドイツとフライブルクのゴミ政策について書こうと思います。
フライブルクのゴミコンセプトでは "ゴミの削減、分別、リサイクル"を一番に位置付けており、増えていくゴミの量に対し、この目標に向けて対処してきました。そしてこの中でも、先ず"ゴミを減らすこと"を一番重要なこととしています。その次に資源ごみのリサイクルと環境にやさしい「その他のゴミ(Restmüll)」の処理を目指しています。

●家庭ゴミは5つに分別
家庭ゴミは大きく分けて 紙、生ごみ、包装容器類、 グラス、その他のゴミがあり、
それぞれ
紙ゴミは-Grüne Tonne(緑の容器) 、生ごみは-Biotonne(茶色の容器) 、包装容器類は-Gelber Sack(黄色のビニール袋)、グラスは-Glascontainer(地区ごとに設置されている回収コンテナ)、その他のゴミは-Graue Restmülltonne(グレーの容器)に入れ、ごみの回収日に家の前の歩道に出しておきます。

生ごみの分別
1997年からフライブルクでは生ごみの分別が始まりました。生ごみ生ごみ処理場(BKF;Biogas und Kompostbetrieb Freiburg GmbH) に集められ、 この生ごみを原料してメタンガス を発生させ、そのメタンガスを使って発電しています。発電した電気は通常の電気よりも高く売られ地域の住民に供給されます。発電の際に発生した熱は処理場で使われます。そして最終的に生ごみは堆肥として農家や市民に売られます。このように生ごみを分別、回収することによって、生ごみ(としての資源)を有効に利用し、「その他のゴミ(Restmüll)」を減らすことが可能となりました。

●ゴミ料金
フライブルクに住んでいる住民はゴミ料金を払っています。ゴミ料金は基本料金と「その他のゴミ」に対する料金とからなっていて、その他のゴミに掛けられる料金はゴミ箱の大きさと、出す回数によって決められています。このように「その他のゴミ」を出す量と回数によってゴミ料金を決めることによって、住民はなるべくゴミを減らそうとするようになります。

●リサイクルセンター
町のリサイクルセンターではその他の資源ゴミなど(粗大ゴミ、CD、油、有害なゴミ等)が回収されています。)このリサイクルセンターでは定期的に、回収された家具や自転車、服などを市民に安く提供していて、まだ使えるものは引き続き使われています。

現在のドイツのゴミ政策の背景にあるのが、1996年に施行された循環経済と廃棄物法(KrW-/AbfG; Kreislaufwirtschafts- und Abfallgesetz)ですが、この法律の目的は、自然資源の節約のための循環経済を促進することと、環境に負担をかけないゴミの処分を確立させることとしています。フライブルクのゴミコンセプトにも見てきたような優先順位(ゴミの削減を最優先に、再利用(リサイクル)、そして削減、リサイクルできないゴミの環境にやさしいゴミの処分)でゴミを扱うことを目指しています。再利用にはその素材としての再利用と、エネルギー生産としての再利用が含まれています。そしてもう一つ重要な点は、製品を生産、流通、販売する業者に"製品責任(生産者責任)"を定めたことです。これによって業者は製品を生産、消費する過程で可能な限りゴミを削減することと、その製品が使われゴミになったら、そのゴミの環境にやさしい処理を保障しなければいけません。

以上大雑把に見てきましたが、このようなわかり易いコンセプトや法律の元、フライブルクのごみ政策があります。