フライブルクのエネルギー構想

今日はフライブルク市のエネルギー構想について書こうと思います。フライブルク市のエネルギー - 気候保護構想では

"エネルギーの節約"と
"効率的なエネルギーの生産"、
"再生可能なエエネルギーへの移行"

に重点が置かれています。
そしてその目標として原子力エネルギーの使用をやめること、2030年までに40%のCO²の削減(1992年比で)、2010年までに電力使用量の10%を再生可能エネルギーでまかなうこと、消費電力を10%削減することがかかげられています。(2004年に決められた目標ですが、再生可能エネルギーは2010年で約4%のみ達成。CO²の削減では2007年までに市民の増加にもかかわらず約14%(一人あたり20%)減らすことに成功しています。)
1986年にフライブルク市議会は既に地域エネルギー供給構想の中で、原子力からの電力の使用をやめることをその構想の中心の一つに据えています。そして1996年に原子力の電力が(フライブルク市の)消費電力の60%を占めていたのが、2007年には25%まで減り、2008年以来badenova(フライブルクの電気会社)から供給される個人顧客への電気は100%原発以外からの電気が供給されています(総合的にみるとフライブルク市の約20%の電気が原発からの電気になります)。またフライブルク市が3分の1を出資しているのこのbadenova電力会社は2015年までに、会社が買っている(現在約4パーセントの)原発からの電気を無くすことを決めています。
フライブルク市内に新しく建てられる家は、エネルギーの削減を効率的にする為に(エネルギーが少なくて済むように)断熱の基準が厳しく決められています。これはドイツの法律で決められた基準の3分の1の電力を必要とするだけの家になります。そして効率の良い発電と発熱のために、フライブルクでは180ものブロックハイツクラフトベルク(BHKW;Blockheitzkraftwerk)という集合住宅用コジェネレーションシステムが運転していて、フライブルクの電力消費量の50%はこのコジェネレーションシステムからの電気で賄われています。コジェネレーションシステムとは発電する時に発生する熱も同時に給湯などに活用する仕組みで、発電時に捨てられていた熱を有効に利用することによって資源を無駄なく効率的に使うことが出来ます。地域の熱、電力供給に、ホテルや病院、学校などでも導入されています。
将来を見据えた構想と、その目標を着実に達成しているフライブルク市は尊敬に値すると思います。そして原発からの脱却を宣言し、より安全な、環境に優しいエネルギーを消費すること、そして地域からの電力供給目指していることはたの市町村も参考にしていけるところだと思います。

参照
フライブルク市ホームページ(環境保護): http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1176484_l1/index.html#Energiepolitik%20und%20Klimaschutz
フライブルク市ホームページ(広報):
http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1182816_l1/index.html
http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1179778_l1/index.html?QUERYSTRING=Atom
http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1205980_l1/index.html?QUERYSTRING=Atom
http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1241533_l1/index.html


フライブルクの昨年できた水力発電機。発電機の左側には魚道も確保されています。