ドイツの環境に優しくない所

 ドイツといえば環境先進国だから、環境に優しい国だろうと思う人が多いと思います。フライブルクはそのドイツの中でも環境首都と呼ばれるくらいなので、全く素晴らしい街だと想像している人も少なくないと思いますし、フライブルク、ドイツの環境政策などを紹介する本には、いい点を日本の人達に伝えたいという本の目的から、いい所ばかりを書いていることがほとんどです。しかし、フライブルクもやはり人が生活している街なので、そんないいことばかりではありません。色々な問題があると思います。

 今日は、そのドイツ(フライブルク)の環境に優しくない点を挙げてみようと思います。先ず、ドイツに環境視察に来た人にもすぐ目に付くことですが、タバコのポイ捨てが非常に多いことです。ポイ捨てしたタバコの火も消そうとしない人がたくさんいます。またお祭りごとの後はゴミが散乱していて、とても環境首都とは呼べない光景です。例えば大晦日にドイツでは花火をしますが、元旦の住宅地には花火の残骸がそこらじゅうに散らばっています。フライブルク市民は、レジ袋を使わずに買い物袋をいつも持参して買い物をしているとイメージしているかもしれません。主に食料品を扱うスーパー(レジ袋にお金がかかります。)には多くの人が買い物袋や自分のリュックサックに入れて持ち帰りますが、レジ袋にお金がかからないお店では、非常に多くの人がレジでビニール袋をもらっています。(店員さんにレジ袋が欲しいかどうか聞かれます。)農業という点から見ますと、ドイツではここ10年くらいに(広い面積の)トウモロコシ畑が非常に増えたと聞きます。このトウモロコシを育てる為には農薬や殺虫剤などを必要としますが、それがハチなどの昆虫に大きな影響を与えています。さらにトウモロコシの根は浅く張るので土壌の流出も問題になっています。もう一つはフライブルク近郊にも果物の木がたくさん栽培されていますが、最近の果物の木は、手入れや収穫がしやすいように品種改良をして年が経っても低いままで幹も太くなりません。

昔からある大きく太く似成長する木にはキツツキが穴を開けたり、菌によって自然に穴が出来ますが、そこは色々な動物達の重要な棲家になっていました。しかし低いまま育つ木にはそのような動物達にとって住み心地のいい穴は出来上がりません。もう一つ、最近新聞で読んで驚いたことですが、フライブルクがあるBaden-Wuerttmberg州はほぼ50%を原子力エネルギーに依存しています。

 さて、ドイツやフライブルクの問題も挙げればきりがないと思いますが、それでもやはり色々な面で優れている所があると思います。その問題を市民が積極的に街づくりに参加し、行政もいくらか柔軟に対応して解決していこうとしているように僕の目には映ります。そしてフライブルクは緑が多く住み心地も良く、個人的にとても気に入っています。