野鳥保護の実習

久しぶりに書き込みますが、忙しくて時間があまり取れなかったのと、何について書こうかと悩んでいたのでこんなに間が開いてしまいました。今日は今僕がしている実習(Praktikum)について報告しようと思います。この実習は大学のカリキュラム内で学生がしないといけない現場での8週間の実習です。森林学を勉強している僕の友人は森林の研究機関や、森林営林署(Forstamt)、国立公園などで約2カ月間大抵無償で実際に働きながら学びます。僕はクリスチャンと言う、主に野鳥、ビオトープ保護をしている個人経営者の元で実習を5月の初めから始めました。彼の仕事は色々と多岐に渡っていて、村(Gemeinde)の自然保護の為に取られた土地の管理と整備、耕地整理(農耕地、ワイン畑などの区画のし直し)の際の相談役、NABU(Naturschutzbund Deutschland e.V.:ドイツ自然保護連盟)などの自然保護団体が所有する土地の管理と整備、それに環境評価などをしています。フランスのアルザス地方とスイスのグループと協同しての仕事もしています。僕が今まで手伝ってやった仕事は、Steinkauz(小型のフクロウ)と Wiedehopf(ヤツガシラというとさかを持ったきれいな鳥)の調査で、自分たちで掛けてあげた巣箱の中を覗いて卵が何個あるか、それによってヒナがいつかえるか、そしてヒナが大きくなったら足に識別リングをはめたりしました。その他には、ヒナがかえるのと時期を合わせて、その周辺の彼が管理する土地を整備します。長く伸びた下草を大鎌や草刈り機で刈り、刈った草は乾燥させて熊手を使って集めワイン畑に肥料としてあげます。草を刈るのはこれらの鳥たちにとってとても重要で、長く伸びた草の中ではうまくかくれていた虫やネズミなどを短い草の上では見つけやくすなります。この2種類の鳥はワイン畑や果樹園に生息していましたが、最近の農業の機会化、大規模化、農薬の使用などで、大きく数が減ってしまいました。前にも書きましたが、彼らが好んで巣を作るのは十分太い木のキツツキの穴や自然に開いた穴ですが、これらの大きな木が切り倒されて、収穫が簡単な低い木にどんどん替わっていっています。
野鳥の観察の仕方や、鳴き真似の仕方、その他の動植物の名前なども教わっていますが、実際に外で肌で感じながら動植物と触れ合い勉強することの大切さを再認識しています。クリスチャン曰く、"自然をいつも目を見開いて観察しないといけない。そうしないと何が変化したのか、どう変わっていったのかをじっくりと知ることは出来ない。そうやって知ることによって何が原因で状況が悪く(良く)なったのかが初めて分かるんだ。"

Steinkauzのヒナ