食品廃棄の現場

 またまた久しぶりに書き込みますが、今日はフライブルクのスーパーなどでいらなくなった食品廃棄の現場についてお知らせしようと思います。
 先日ECOTRINOVA eV(エコトリノヴァ)という団体が主催する、環境、特にエネルギー問題をテーマにした講演会と見学に参加してきました。この日のテーマは「食品」で、気候保護の観点からみた食生活についてと、食品廃棄物の再利用について講演がありました。それに引き続き、食品廃棄物の処理施設のあるEichelbuck(アイヒェルブック)に見学に行ってきました。(この処理施設では、レストラン、スーパーなどからの食品廃棄物が集められバイオマス発電などの原料にしています。)そこで目にした物に私達はとても驚きました。食料品スーパーからのお菓子が山積みにされ、(売れ残った?)肉や野菜の「ゴミ」が処理機の中へ入れられるのを順番待ちしていました。4,5人の作業員がお菓子の山の横で、ダンボールから商品を出し、分別作業を淡々としていました。そこで、見学に行った僕達の一人がそのダンボールを見て、そのほとんどが賞味期限が切れていないことに気が付きました。野菜やパンなどの中にも賞味期限がまだ来ていないものもありました。
 もう賞味期限が過ぎてしまったものを捨てることが赦されたとしても、「まだ食べられる」物を捨てることはどんな社会であっても赦されないことだと思います。その商品に何かしらの不備(異物混入など)があって捨てなければいけないような状況は確かに考えられますが、これは大きな問題だと思います。
 このような食品廃棄の問題は飽食が経済的に許されてしまう、先進国(経済大国)ならどこにでもある問題だと思いますが、貧困国に少し目を向けると状況は全く違ったものになるのは誰もが想像できます。発砲スチロールを溶かして食べ腹の足しにしている子供が同じ地球に生きている中で、その国から輸入した食材を使った食品を簡単に捨ててしまうことが赦されているのです。それでなくとも輸送、製造などに大量のエネルギーを消費して環境に負荷を与えている工業製品(工業的に大量生産された食品)であるので、食品廃棄の現場においてしっかりとした法的な枠組みと、この基礎となる職業倫理を見直す必要があると思います。そしてもちろん私達個々人の食に関する意識を高めていくことが重要でしょう。