原発についての話

 今日で地震発生から早1か月が経ちましたが、被災地ではまだまだ大変な状況が続いています。一刻も早い、そして希望が持てる復興を心から祈っています。このような地震津波の甚大な被害にも関わらず、原発への対応を迫られている政府は、この原発事故のおかげで震災への対策がおろそかにならざるを得なくなっているのは腹が立ちます。あれだけ安全だと豪語していたものがもろくも大きな事故を引き起こし、震災で助けを待っている人がいるのに、政府首脳、自衛隊、レスキュー隊や警察などの優秀な人材が原発に対応しないといけないのは本当に愚かなことだと思います。地震などの非常事態に起こる原発事故ほど厄介なものはないでしょう。このようなリスクの高いものはやはり無くしていくべきでしょう。
 さて先日Oeko-FreiWilligが主催でフライブルク近郊に在住している環境ジャーナリストの村上さんに原発について講演をしてもらいました。テーマはドイツのエネルギー政策で、脱原発から再生可能エネルギーへの展望を話して頂きました。ドイツが再生可能エネルギーに力を入れ、日本の数倍もこの分野に投資をしていることや、再生可能エネルギーが増えるような法律、政策が考えられていることなどを伺いました。このようなビジョン、政策は日本でも参考に出来るものだと思います。脱原発をするために私たち市民が出来ることはという質問に対して、村上さんは「選挙で脱原発を主張している人を選ぶこと」とおっしゃっていました。また前回村上さんにお話を伺った折にも、市民が直接政治家に対して意見を伝えていくことが大切だとおっしゃっていたのはまさにその通りだと思います。
 村上さんに引き続き、第2弾として環境ジャーナリストの池田さんにも講演をしてもらいます。4月20日(水)の16:30〜19:00、フライブルク市内のTreffpunkt Freiburgという場所で行います。テーマは再生可能エネルギーと地域経済についてです。質疑応答の時間も多く取る予定です。原発について、エネルギーについて聞きたい、話したいという方は是非参加してください。
 前回書いたブログの中で日本のリーダー達は本当に日本国民のことを考えているのか?ということを書きましたが、ソフトバンク孫社長はとても平衡感覚のある視点で発言をしていました。こちらから是非ご覧ください。「人命を含めたすべてを考慮した原発のコストを経営者は考えていかなければいけない」や「損得ではなくて本当のことを言う人が必要だ」というような発言は非常にもっともな事だと思います。このようなまともなことを日本の大きなテレビ局の番組では言えないということは非常に大きな問題だと思います。電力会社をスポンサーに持っているので、マスメディアは電力会社からの圧力に屈して反原発の意見が出せないのです。このような権力、お金の力に簡単に左右され、国民のことを真剣に考えないようなマスコミは信頼できないと思います。反原発のデモのニュースもほとんど放送されないそうです。こちらからこちらMSNからも)4月10日のデモのニュースが報告されています。もちろん正しい事を伝えるという報道者としての本文を果たそうとして頑張っているジャーナリストの方も多くおられるようです。 
 今回はちょっと色々な方面の話を一度に書いてしまいましたが、特に言いたかったことは、原発問題も大きく騒がれているけど、震災で打ちひしがれている現地の人達のことが原発で二の次になってしまうことはとても酷いことだということです。