原発を無くす

 前回は原発を無くすことが先決問題だということを書きました。私たちが安心して家族や友人、近所の人たちと住み慣れた場所で幸せに暮らしていくためには、大事故の危険がある原発はどうしても止める必要があります。
しかし原子力エネルギーが無かったら日本のエネルギーの需要に応えられないというような主張をする人たちがいます。本当にそうでしょうか?今現在の計画停電が行われている関東地域を見るとなるほどと思うかもしれません。しかし逆に見れば、福島の原発がなくても何とかやっていけるということは分かりました。関東の工場など産業部門にとってはとても厳しい状況ですがどうにかなっています。ということは今の状態でなるべく電気を使う量を減らしたり電気以外のエネルギー源(ガス、薪炭など)に変えたり、原発以外の発電施設からの電気を供給するようにすれば現状より良くなるということです。
 さて、私が今住んでいるフライブルクは環境首都と言われていますが、このフライブルクでも1960年代には約60%も原発からの電力に頼っていました。それが原発からの脱却を目指し2003年には約30%、そして2008年以来フライブルクにある一番大きな電力会社badenovaから供給される個人顧客への電気は原発以外から、と成果を出しています(フライブルク市全体でみるとまだ20%を原発からまかなっています)。Badenovaの原発に変わるエネルギー源は再生可能エネルギーコジェネレーションシステムと環境に優しいものを使い、この電気は2009年以来ドイツの一番高い基準の認定ok-power-labelが与えられています。フライブルクでは、"エネルギーの節約"と"効率的なエネルギーの生産"、"再生可能なエネルギーへの移行"を目標に掲げてこのような成果を出しているのです。日本もこれに見習う必要があり、原発が無くてもやっていけるということを理解しないといけません。もちろん日本には日本の置かれた環境、条件があるのでそれにあった方法でエネルギー政策を考える必要はありますが、フライブルク市のようにしっかりとした目標を掲げてやっていくべきでしょう。震災などの時のリスクを少なくするためにも各県、市町村でエネルギーの自給を目指さないといけないと思います。フライブルクのような例があることは今の日本にとても大きな希望を与えると思います。日本の原発依存度は30%弱なので、フライブルク市原発からの電気を40%削減したという事実は上に書いた主張(原発がなければ日本はやっていけない)が当たっていないことを物語っています。国と一つの市を比較するのは少し強引ですが、可能であるということは言えるはずです。
 現代は科学の力によって原発や戦闘機、ロケットなどのようなめちゃくちゃ大きな機械が使われる時代です。これからはこんな最新の巨大な物や莫大な力を持つ機械を敢えて使わない時代にしていかないと いけないと思います。使えるけど使わない、これはとても苦しい決断ですが、ここに私たちの未来があるように私は思います。


参照フライブルク市広報;
http://www.freiburg.de/servlet/PB/menu/1205980_l1/index.html?QUERYSTRING=Atom