カエル救出大作戦

 僕の家の近くでは春になると森を走る車道に低い柵が登場します。カエルが車に引かれないようにするためです。3月から4月にかけてヒキガエル(Erdkroete; ヨーロッパヒキガエル)とアカガエル(Grasfrosche; ヨーロッパアカガエル)が産卵をしに水場に向かって移動してくるのですが、そこに車道が走っているので、運が悪いカエルたちは車のタイヤでぺちゃんこになってしまいます。この時期カエルが道路で大量に轢かれている惨状を目にします。柵が完全ではないのと、柵が無いところから道路を横断しようとしたカエルさんたちが無残にも殺されているのです。
 ここフライブルクでは市民がカエルさんたちを助けようと柵をめぐらし、そしてカエルが動き出す夜にカエルたちの移動を手伝っています。柵のために道路を横断できないで困っているカエルを捕まえ、池がある方へ放してあげるわけです。そして4月に入ると産卵を終えたカエルたちは元いた場所に帰っていくので、今度は池側から反対方向、来た方向へ帰してあげます。
先日参加した時は子供が2人来ていて、カエルを見て、捕まえて大はしゃぎしていました。途中でイモリも見つけました。子供たちが小さな体全体でカエルやイモリと向き合っている姿はとても微笑ましいものでした。このような実体験を通し子供たちは動物とは何か、自然とは何かを体の中に残していけるのはとても素敵な事です。このような体験をさせてあげることや、このような環境を子供たちの周りに作ってあげることが大切です。それが環境教育の基本となるのだと思います。

池のヒキガエルの夫婦とタマゴ


一匹の雌に5匹のオスが

 このヒキガエルはオスが圧倒的にメスより多いのでメスをめぐってオスたちが必死で戦っています。メスの方がオスより大きく、産卵時はオスがメスの上に乗っていて、メスはオスを乗せたまま力強く動き回っています。人間界はオスメス同じくらいの数なので良かったです。この写真撮影の後、見るに見かねて一番しっかりしがみついているオスを残し、他のオスたちには離れてもらいました。このオスたちには可愛そうなことをしましたが、こんな状態ではこのメスは弱ってしまいますからね。